今回のソウル旅行。
ショッピングと食べ歩きばかしじゃやなく違った楽しみ方をしてみようということで午前中にソウル市が提供する無料のウォーキングツアーでソウル市庁を見学するトントンツアーに参加したのですが、夕方からも別のコースの予約を入れていました。
先程のソウル駅まで少し歩いてきたソウルロ7017から漢陽都城を巡り南大門へと帰って来るコースで18時出発なので話題のソウルロ7017の夜景も楽しめそうなのでオンライン事前予約していました。
集合場所はソウル駅の空港鉄道駅15番。
ソウル駅東口はビルが立ち並びますが空港鉄道駅のある西口はKORAILの首都圏本部が隣接する昔ながらのソウルって感じ。
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弘大に留学してる友達に会いに行ってた長女ともツアー集合場所の空港駅15番で待ち合わせ。
ソウルロ7017の案内も出ていますね。
ここでガイドさんと合流。
今回も女性の方で、こちらでアンニョンハセヨ。
参加者は小生らだけのよう。
午前中のツアーもそうでしたが、こういうツアーがあるのはなかなか知れ渡ってないようですね。
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今回のコース。
ソウル駅15番出口 - ソウルロ7017 – ナムデムン教会 - ソウルハニャン(漢陽)都城 - ペクポム(白凡)広場 - ナムサン(南山)陸橋 - スンニェムン(崇礼門)と歩きます。
ところでソウルロ7017の名称は1970年にソウル東部と西部の交通難を解消する為に建設された高架橋が老巧化で2015年に撤去が検討されたのを2017年に遊歩道として再生されたという意味と17には17本の人のための道という意味も含まれているんだそうです。
ソウルロはソウル路、ソウルの路という意味。
東部側からソウルロに上がります。
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かっての車道の上には多くの緑が育てられ都心に緑を取り戻す狙いもあるそうです。
清渓川の再生もそうでしたが、本当にソウルの都市再生プロジェクトってダイナミック。
韓国を象徴するムクゲも多く植えられてます。
ムクゲは韓国語で무궁화(ムグンファ)。
韓国を代表する列車の愛称としても親しまれてますね。
陽が落ちて来て、うっすらとLEDが点灯して来ました。
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線路を横断する車道の下をガラス越しに覗けます。
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ソウルロには645の鉢植えが有り、50科228種類、2万を越える花や木々が植えられていて四季を楽しめるんだそう。
蓮も見ることができます。
真下には旧ソウル駅のホームを見ることもできます。
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どうですか?
幻想的でしょう。
ライトアップされたソウルロ。
LEDの調光でいろんな表情が楽しめるよう。
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ソウルロを降りるとヒルトンの脇に教会があるんですね。
韓国初の西洋式病院の所属教会でナムデムン(南大門)の外にあることから「ナムデムンパク(南大門外)教会」または「ナムデムン教会」と呼ばれ1886(高宗23)年に李氏朝鮮の鎖国から宗教の自由が許された最初の教会だってガイドさんが説明されてたかな。
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小雨が降り出した中、傘もささずにガイドさんについて行く小生ら家族一行。
中区の看板からミレニアム・ソウル・ヒルトンの裏を登ってゆきます。
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かってソウルが漢陽の都だった頃の漢陽都城。
かっての漢陽都城は李氏朝鮮時代の1932年に初代のテジョ(太祖)がシンプルに石を積み重ねる方法で築かれ、セジョン(世宗)、スクジョン(粛宗)、スンジョ(純祖)と時代を重ねるとともに石を削って積むようになり、ソウルを取り囲む城郭となったそうです。
時代の流れによって石の表情で変わる城郭を見て歩くのですが、南山の麓。
はっきりいってウォーキングと言うよりハイキング。
結構しんどい。
雨も降ってるから余計に歩きづらい…
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中腹から見るソウルの夜景。
雨が降ってなければ絶景ですが…
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南山タワーが近付いてきてるって、どんだけ歩いてるんでしょう。
奥さんも子供たちもだんだん無口に…
南山タワーの下手にあるのは図書館で、この一帯が南山公園。
で、この写真を撮ってる辺りがペクポム広場でペクポム・キム・グ(白凡金九)という日本統治時代の独立運動家を記念した広場なんだそうです。
なかなか、ソウルに旅行してここまで歩いて来ないでしょう?
この一帯は、日本が統治していた1919年に朝鮮神社として1925年に朝鮮神宮と改称され南山の頂の御用地20万坪、境内7000坪の地を有する朝鮮半島の総鎮守府だった地なのです。
日本人としては感慨深いものがあります。
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南山公園の中腹部分にライトアップされた建物がありました。
ガイドさんに尋ねると伊藤博文を狙撃殺害した安重根(アン・ジュングン)の記念館なんだそうです。
安重根は韓国では独立運動家で義士と称えられているのですが、この記念館の辺りが社務所や本殿があった場所だと思うと、相当に韓国の方々は日本に対して恨みがあるんだなと。
ここでは、ガイドさんは、こちらから聞かない限り余計な説明は一切ありませんでした。
日韓関係の深い溝。
歴史観の差は置いておいても、日本が統治した時代に神社参拝を強制させたことへの恨みは消えないのだろう。
終戦後、朝鮮神宮は朝鮮総督府によって取り壊され、祭祀も日本へと帰ったのですが拝殿の遺跡等が見れないことは日本人としては残念でもある。
当時の日本人が、どういう思いで朝鮮半島に渡ったかも含めなかなか韓国で知ろうとするのは難しいのが事実だし、何も残らない場所で歴史を刻むこともできないのである。
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韓国の人達は子供の頃から日本が統治していた時代に初代の韓国統監で日本の初代総理大臣伊藤博文を殺害したことを独立運動として教わり日帝憎しが刻まれ、大人になっても心の奥で反日に繋がるんだなと改めて感じる場所でした。
日本語のコースですから詳細はほとんど説明されない場所でしたが、多国語では日本はバッシングされてるのかな?
さすがにそこには案内も話もされませんでしたが、昨年、この南山公園内に慰安婦記憶の場も設けられたそうです。
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伊藤博文を殺害し処刑された安重根。
単独説以外に韓国併合強硬派の謀殺説もあると言います。
伊藤博文は韓国併合を強行するというより「日本は韓国を合併するの必要なし。韓国は自治を要す。」と京城の記者たちの前で語っていたとも伝えられます。
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かっての朝鮮神宮の石段と言われていますが韓国ではドラマ「キム・サムスン」で撮影に使われサムスン階段として有名のよう。
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1961年の銘板のある南山公園へ続く橋。
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南大門から朝鮮神宮に続く、かっての表参道はソウルロ7017と人のための道として生まれ変わりました。
この路が日韓の本当の交流の途に繋がってくれたら良いのにな…
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小雨も上がり、2時間半のウォーキングツアーは終わりました。
華やかさの陰にあるウォーキングコースに歴史が非常に日韓にとって重いテーマのあることを考えさせられるコースでした。
今回、こういったプログラムに参加したことは、とても有意義なことでした。
子供たちにもK-POPや韓流ドラマだけじゃない韓国を教えられたと思います。
しかし、このコースきつい。
後で知りましたが16km近く歩く行程のようです。
ガイドさんも良い方で良かったですが、それなりに歩く覚悟と靴を選んでいかないといけませんね。
50半ばのオヤジは足腰が痛くなりました。
ソウルを歩いて感じるツアーに興味があればソウル市のWEBページからどうぞ。
※ソウルロ7017夜間コースは期間限定のようです。
ソウルウォーキングツアー
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